文献コンテンツ
大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nailによる小侵襲観血的骨接合術
[はじめに]大腿骨転子部骨折に対し、髄外から固定するCHSタイプと、髄内で固定するshort femoral nail(以下、SFN)タイプの内固定材料がある。この両者の成績については差がないとする報告が多い1)。近年の大腿骨転子部骨折に対する治療例の報告を検討すると、症例の平均年齢の高齢化を認めており2)、骨質の脆弱性を伴う不安定型骨折に対してはSFNタイプのほうが、sliding量が少ないとの報告があり、適応が拡大している1)。一方、nailが骨折線から挿入された場合骨折部が離開し、カットアウト例、大転子の前後径の開大が生じる例などの報告が多数認められている3)。筆者は、SFNタイプは大転子に対する侵襲が大きく、外転筋群の損傷を考慮し、CHSタイプを使用していたが,現在は小侵襲を前提にSFNを第1選択としている。
当院では術前CTを必ず施行し、転子間稜の骨折形を確認し、3Part型で大転子にかかる骨折であっても可及的整復を試み、特に転子間稜の連続性が保たれている場合、骨片を可及的整復を試みたのち、Gardnerら4)が提唱した大転子部 ”bald spot”からの挿入を試みている。この方法は股関節周囲筋の損傷を最小限にするものと考えられる。術前術後のCT画像の比較により、術後のSFNの挿入位置、整復の状態につき、検討を行ったので報告する。
このコンテンツはパスワードで保護されています。
閲覧するにはパスワードを入力してください。
パスワードをお持ちでない方は必要事項を入力しお送りください。
確認後にパスワードをお送りします。